子どもを信じて見守れば、 子どもはよりよい世界を目指して歩いてゆける

コーチの期待は、子どもの将来を決める

期待を言葉にして表現するか、心に秘めておくかは問題ではありません。言葉にしなくともコーチの期待は子どもの心に無意識のうちに染み込み、選手の自分観、人生観、世界観 に影響を与えます。

結局のところ、子どもの成長はコーチの世界観次第なのです

子どもを信じる

何があろうと、選手に対する信頼感は保ちたいものです。選手がどんな状況にあろう と、選手の良い面を見ててください。

実現できそうな期待をもつ

選手はコーチの期待に応えたいと思っています。どうかこのことを忘れないでください。コーチの期待を裏切りたい選手などいません。それどころか期待外れなことをして、コーチをがっかりさせたらどうしようと、びくびくしています。

過大な期待を押しつければ、選手は苦しみ、自由を失なってしまいます。 コーチを喜ばせるために、取り憑かれたように完壁を目指す子どももいます。コーチが選手に無理 な目標を課し、選手がその期待に応えられないとしたら、悪いのはコーチのほうです。選手を責めるべきではありません。

コーチが期待することすべてを、選手ができるとはかぎりません。そのことを現実として受け入れてください。長所も短所もふくめて、選手をありのままに受けとめられるなら、実 現できないような無理な期待はしなくなるでしょう。無理な期待をかければ、それが叶えられなかったときに、選手はとても失望し、時にはコーチを恨んでしまうのです。

無理な期待を捨てる

その選手にふさわしい期待をもてば、それだけその選手をひとりの人間として見ることができ るようになります。ありのままの素顔とユニークな個性を受け入れ、大切にできるようになるのです。

選手の五年後、十年後を思い描いてみましょう。また将来の姿を想像すれば、その子の特別な才能がよりは っきりと見えるはずです。そうすれば、才能や隠された興味を認め、育むのも楽になります。勝手に思い描 いた夢や期待にこだわるのはやめましょう。けれど、基本的な期待感や希望は捨てないでください。良い人生を歩み、友情に恵まれ、家庭をもち、その選手にしかできないやり方で世界をよりよい世界にしていってほしい――こうした期待感は、いつまでもっていてもいいのです。

時がたってからわかること

数年後に振り返ったとき 、指導者が選手に お よ ぼ し た 影 響 の 大 き さ に 気がつくことでしょう。子どもは親から離れたがり、わたしたちが言うことにいちいち反発し ま す 。 が 、 一 方 で わ た し た ち の 期 待 を 敏 感 に 察 し て い る の で す 。 と は い え 、 01 代 の 嵐 の 渦 中にいるときは、子どものそんな気持ちにはなかなか気がつかないでしょう。世の中には、 時間だけが見せてくれるものもあるのです