ICT を活用できる様々なスポーツと指導と注意点

 ICT の発展は、今スポーツの世界にも大きな影響を与えています。実は、近年スポーツ× ICT が注目を集めており、あらゆるスポーツで ICT を指導に活かせないか教育機関や企業、スポーツ団体が積極的に導入を進めています。今回は、スポーツ指導に ICT を活用できないか考えている指導者の方に向けて、ICT がスポーツ指導の常識を変えた好事例を3つ紹介するとともに、ICT をスポーツ指導に導入する際に念頭におかなければならないことを解説します。

ICT を活用できる様々なスポーツ

スポーツ× ICT の歴史はまだ浅く、各所でスポーツ指導における効果的かつ効率的な ICT の活用方法については研究が進められています。つまり、この領域はまだ発展途上中です。そんな中ですが、既に ICT をスポーツ指導に取り入れた好事例を3つ紹介します。

  • 【バスケットボール】アプリを使って戦術·作戦指導!
  • 【剣道、バレーボール、ハンドボール、準硬式野球】動画の添削で遠隔指導!
  • 【ダンス、ヨガ、体操】リアルタイムでオンラインレッスン

それぞれについて詳しく解説します。 

【バスケットボール】アプリを使って戦術・作戦指導!

バスケットボールなどの球技では、アプリを用いた分析結果を指導に役立てたり、試合の戦術や作戦に活用したりしています。

例えば、「バスケパッド」というアプリはバスケットボールに特化し、選手の動きや試合の記録をまるでゲームを操作する感覚で入力できます。実は、バスケットボールはシュートやリバウンドなどの重要な指標は確率で考えられます。指導者や監督は、選手の動きや試合中のデータを記録し、指導や作戦に応用していきます。バスケパッドを用いることで、誰がどこでシュートを打つ確率が高く、成功率はどうだったかなど重要なデータを瞬時に集計し結果を出力できます。指導はもちろん、試合本番もリアルタイムで活用されています。(参考:https://basket-plus.jp/databasket/

【剣道、バレーボール、ハンドボール、準硬式野球】動画の添削で遠隔指導!

プレーやフォームの動画を添削して、チャットなどを通してフィードバックをもらうなどの遠隔指導も普及しています。

例えば、ソフトバンクは「スマートコーチ」というサービスを展開しており、卓球やテニス、陸上など様々な種目のプロや専門家からオンラインで指導を受けられます。自分のフォームやプレーの動画を指導者に見てもらい、指導者は音声や図解を提出された動画に加えながらフィードバックします。九州産業大学はソフトバンクと連携し、剣道、バレーボール、ハンドボール、準硬式野球部にこの「スマートコーチ」を取り入れ、大学の部活動指導では初となる試みをしました。(参考:https://www.softbank.jp/corp/news/press/sbkk/2018/20181115_02/

【ダンス、ヨガ、体操】リアルタイムでオンラインレッスン

ダンスなどはリアルタイムのオンラインレッスンサービスが普及してきました。ワイヤレスイヤホンとビデオチャットができるタブレットなどがあれば、自宅にいながらもリアルタイムでレッスンを受けられます。多くの個人や会社がサービス展開をしています。(参考:https://www.noaonline.jp/dance/?utm_source=Yahoo&utm_medium=%E3%83%8E%E3%82%A2%E3%82%AA%E3%83%B3%E3%83%A9%E3%82%A4%E3%83%B3&utm_campaign=NOD&yclid=YSS.1000410410.EAIaIQobChMI6rqVnq2n7QIVwVBgCh0K6AvWEAAYAiAAEgITzPD_BwE

探してみると、数はダンスには及ばないものの、ヨガや体操などもオンラインレッスンが徐々に普及してきています。 

ICT を活用したスポーツ指導の注意点

スポーツでの ICT 活用と言っても、その幅は広く、まだまだ今後も開発余地があることがよくわかりましたね。

ICT を活用することでスポーツ指導の幅は今までよりも圧倒的に広くなり、効率的になりました。瞬時に必要なデータを算出して指導や試合に活かしたり、どこにいてもプロや専門家から指導してもらったりできるようになりました。

しかし、そうした ICT を活用した指導は、メリットが大きい反面押さえておかなければならない注意点もあります。今後 ICT を活用してスポーツ指導を行いたい方は、ぜひ以下の注意点を押さえておいて欲しいです。

  • 使いやすいツールを選択する
  • ICT 活用指導力を高める
  • 重要なのは結局指導スキル

それぞれについて解説します。

使いやすいツールを選択する

活用する ICT 機器やソフトウェアも選択肢が豊富にあります。しかし、どんなに高性能な ICT 機器だったとしても万人にとってあまり馴染みがないものだったり、操作を覚えるまでに時間がかかったりする機器は避けるのが無難です。どういったICT 機器であれば多くの人が利用しやすいかを考えることが指導においては重要です。例えば、iPad は家庭や教育現場で取り入れられており、多くの人に馴染みがあります。ICT 活用の際にはまず「iPad を利用できないか」といった視点から入るのも一つの手です。

ICT 活用指導力を高める

スポーツ指導に ICT を活用するのであれば、当然ですが指導者は最低限その ICT を使いこなせる必要があります。例えば、これまでにあげた好事例を引き合いに出すとすれば以下のようなものが挙げられます。

  • アプリの基本的な操作方法を覚え、さらには選手にもそのノウハウを伝えられる
  • 動画に書き込みを入れたり自分の音声を入れたりなど、プレーやフォームのフィードバックを伝える簡単な動画編集ができる。
  • ビデオチャットで自分の動きを正確に相手に伝えるために、ビデオの画角や照明を調整できる。また、音声をクリアに届けるためにマイクの工夫などをできる。

ICT を活用するためには、そのための事前準備や学習が指導者にも求められることを忘れてはいけません。指導者が中途半端に ICT を活用した場合、かえって非効率化する場合もあります。

重要なのは結局指導スキル

ICT 機器を活用したスポーツ指導は、魅力的かつ効率的なのは確かです。しかし、ICT 機器を活用したからといって良いスポーツ指導ができるとは限りません。結局のところ ICT はツールでしかなく、本質はそのスポーツの指導スキルです。ICT を活用したから良い指導者になれるのではなく、良い指導者が ICT を活用するからこそ、その真価を発揮できるのです。例えば、バスケパッドなどのアプリの操作や、簡単な動画編集の方法を覚えたとしても、そもそもの指導スキルがなければ本末転倒です。そうならないために、ICT 活用指導力を高めつつも、指導者としての資質·能力向上は常に求められます。

まとめ

今回は ICT を活用して指導できるスポーツの種類や、指導の際の注意点について解説しました。まとめると、ICT をうまく活用したスポーツ指導の方法としては、

  • アプリを活用し、選手の動きをデータ分析すること
  • プレーやフォームのビデオを活用して、細かくフィードバックすること
  • ビデオチャットなどを活用し、リアルタイムで動きの見本を見せたりアドバイスしたりすること

などがあり、既に活用されているスポーツの種類として、バスケットボール、剣道、バレーボール、ハンドボール、準硬式野球、ダンス、ヨガ、体操を紹介しました。

指導の際、指導者は使いやすい ICT ツールを選択したり、指導者が ICT 活用能力を高めたりする必要もあることを念頭に置いておきましょう。

今後も ICT によってスポーツの世界はさらに変化していくでしょう。指導者も、データ分析や遠隔指導など、ICT をうまく活用できれば、さらにステップアップできます。最終的に、スポーツ× ICT は競技力の向上やスポーツの普及につながるのではないでしょうか。