以前のスポーツ指導の形は、一般的に指導員により、直接指導を受けるスタイルが多く見受けられました。しかし、最近のインターネット環境の最適化とスマートフォンやタブレットといったデバイスの普及により、遠くにいながらでもスポーツ指導を受けられる時代となっています。このインターネットを利用したスポーツ指導には、メリットがありますが、もちろんデメリットも存在します。しかし、現在のコロナショックを踏まえたこれからの時代では、インターネットを利用したスポーツ指導がより注目されていきます。今回は、まずICTとICTを活用したスポーツ指導について説明します。それを踏まえた上で、ICTを活用したスポーツ指導のメリット·デメリットについて解説していきます。
ICTとは
ICTとは、「Information and Communication Technology」の略であり、通信技術を活用したコミュニケーションを意味します。実際に、インターネット上でスマートフォンやタブレット、パソコンといったデバイスを使用し、表情や会話のやりとりをしながら、離れている距離の相手とコミュニケーションが取れます。
ICTを活用したスポーツ指導
先ほど説明したICTは、最近ではスポーツ指導の場においても普及が進んできています。直接指導員と会えない場合も、ICTを利用することで、スポーツ指導を受けられます。また、離れている距離でも繋がることができるため、遠方に住んでいる指導員から指導を受けられるのも非常に魅力的です。本来であれば、直接会わないとスポーツ指導を受けられません。しかし、ICTを活用することにより、画面越しですが、表情や動きを確認しながら指導を受けることができるため、より直接行う指導に近づけることができます。
ICTを活用したスポーツ指導のメリット
ICTを活用したスポーツ指導についての具体的なメリットについて解説していきます。主なメリットは以下の通りです。
·遠くにいても、表情や動作を確認しながら指導を受けられる
·自分の都合のつきやすい場所で指導を受けられる
·お互いの都合のあった時間に、すぐ繋がることが可能である
遠くにいても、表情や動作を確認しながら指導を受けられる
特に、ここでのポイントは距離です。どんなに遠くに離れていても、スマートフォンやタブレットさえあれば、指導者と会話をしながら指導を受けられることは、ICTを活用したスポーツ指導の最大のメリットとも言えるのではないでしょうか。また、近くに指導者が住んでいる場合はいいのですが、ずっとお世話になっていた指導者または、自分が引越しをしたケースを考えてみましょう。すぐに会える距離ではない場所に行ってしまった場合でも、ICTを活用すれば、お互いのタイムスケジュールと通信環境やデバイスさえあれば、継続して同じ指導者の指導を受けられます。指導を受ける側も、新しい指導者を探す負担も減ります。また、継続して自分のことをよく知る指導者に指導してもらうことの安心感もあります。
自分の都合のつきやすい場所で指導を受けられる
直接指導者からスポーツ指導を受ける場合、指定された場所に行く必要があります。しかし、ICTを活用したスポーツ指導では、ある程度の広さとインターネット接続環境さえ整っていれば、自分の都合がつきやすい場所で指導を受けられます。移動時間や負担を考えれば、非常に良いのではないでしょうか。お子さんの場合送り迎えをしてくれる人がいない場合でも、指導を受けるために必要なスペースさえあれば、自宅でも指導を受けられるのは嬉しいです。
お互いの都合のあった時間に、すぐ繋がることが可能である
社会人で自由な時間を確保しにくい場合でも、ICTを活用したスポーツ指導では、指導者と時間の都合さえ合えば、少しの時間でも指導を受けられます。また、時間帯に関しても、自分の融通にも合わせてくれることもあります。お互いの時間が合った時に、ボタンひとつで、すぐ繋がることができるのは、ICTを活用したスポーツ指導ならではです。
ICTを活用したスポーツ指導のデメリット
メリットの多いICTを活用したスポーツ指導ですが、デメリットも存在します。デメリットは、以下の通りです。
·充実したインターネットの設備環境が必要である
·タブレットやパソコン等購入にお金がかかる
·実際に会う指導と比較すると、やはり物足りなさを感じてしまう
充実したインターネットの設備環境が必要である
ICTを活用したスポーツ指導の課題として、通信障害が挙げられます。円滑なスポーツ指導を受けるためには、指導者と受ける人の両方で充実したインターネット環境が非常に大切です。インターネット環境が不十分であると、
·画質が悪く見えづらい
·途中で映像が切れてしまう
·すぐに通信が落ちてしまう
などといったトラブルに繋がります。特に、スポーツ指導となると屋外であることがほとんどです。なので、屋外でも十分な通信環境を維持するための、Wi-Fiモバイルルーターなどを用意する必要があります。その十分な通信環境の準備を片方だけではなく、指導者と指導を受ける人の両方が準備する必要があるのも、デメリットだと言えます。
タブレットやパソコン等購入にお金がかかる
現在スマートフォンを所有している人は多いですが、ICTを活用したスポーツ指導ではタブレットやパソコンといった画面が大きいものの方が使いやすい傾向にあります。元々持っている場合はいいのですが、持っていない場合は、新たに購入する必要があります。タブレットやパソコンは、高価なものなので、購入するとなると金銭的な負担もかかります。ですが、指導者がパソコンやタブレットの使用を推奨する場合、準備しないといけない場合もあります。よって、インターネット回線を含め、タブレットやパソコン等の新たな購入の必要がある場合は、初期投資はかかってしまいます。
実際に会う指導と比較すると、やはり物足りなさを感じてしまう
遠くにいる指導者と、画面越しに会話をしながら指導を受けることができるのは、ICTを活用したスポーツ指導のメリットであるとお伝えしました。しかし、実際に会って、直接体のフォーム等を直してもらうことはできないため、物足りなさを感じてしまう人もいます。しっかりとした指導感を求める人は、ICTを活用したスポーツ指導よりも、実際に会って、直接指導を受けたいと感じてしまいます。この点がICTにおけるスポーツ指導の大きな課題であるといえます。
これからは、よりICTを活用したスポーツ指導が注目される時代
ICTを活用したスポーツ指導のメリット·デメリットについて解説してきました。しかし、これからの時代を考えると、メリットの方が際立つ印象にあります。距離や都合により、指導者と会えない場合においても、画面越しですが、動きや表情を確認し、会話をしながら指導を受けられることは、非常に貴重です。これからは、スポーツ指導においてもICTの活用が注目される時代であると言っても過言ではありません。スポーツの指導や学びのスタイルにおいて、自分にあった選択肢が増えると、可能性も広がります。今後のICTの活躍に注目して見てください。