ICTを活用してどのようなスポーツ指導ができるか

まず最初にICTについて簡単に説明すると、ICTは、「情報技術そのものであるIT」に対して、「そのITを活用し様々な人やモノを繋げていく」ことを指しています。

最近では、「スマートコーチ」と呼ばれるものが野球などのスポーツの現場でも用いられるようになってきています。これもICTの一種です。

「スマートコーチ」とは、便利なプラットフォームのことですが、スマホやタブレット、パソコンなどで、動画を活用してプライベートレッスンが受けられるようになっています。

スポーツ遠隔指導

元プロスポーツ選手やアスリートといった知識や経験豊富な専門コーチから、インターネットを通じてレッスンを受けることができたら、とても嬉しいことですね。

一般の選手が指導を受ける場合、主に野球であれば専属コーチなどの身近な存在になる場合が多いでしょう。

そのスマートコーチを利用すると、オンライン上でそれぞれの悩みを専門コーチに相談することができるようになります。また、実際に練習している選手のフォームなどを動画撮影し、それを、専門コーチが見て、それぞれの選手へ添削や音声アドバイスを加えることができるようになっています。

スポーツ遠隔指導は、様々な場面において取り入れられてきています。

部活動において

野球の部活動の場合、スマートコーチは、顧問コーチと部員間で指導の遠隔サポートができることから、重宝するでしょう。天候や時間など制約があるスポーツであっても、スマートコーチを利用することで、普段はなかなか受けることができないサポートを受けられるようになるでしょう。お互いがどこにいようと対応できることから、様々な制約もなく指導したり、指導を受けることもでき、双方ともに便利なのです。

調査によると、中学校の運動部活動顧問のおよそ半数はその担当している部活の競技経験もない状態であり、およそ40%は顧問でありながらも、自分の専門的指導力が不足していることを実感しています。


「ICT部活動支援」を活用すれば、部活動顧問の先生たちの悩みの種である指導力不足はサポートされて解消に向かい、部員たちも十分な指導を受けられるようになります。

ですから、多くの部員たちがスポーツ環境をより楽しみ、成長に結び付けていけるのではないか、と期待されています。

小学校の体育授業において

実は、小学校の教員の多くは、体育授業の指導に悩んでいます。スマートコーチを活用した遠隔サポートの取り組みがあれば、授業や指導のコツ、方法に至るまであらゆるタイミングで専門コーチに相談できることもあり、教員やコーチの指導力向上にも役立ちます。

また、オンライン上でできることから制約もなく、教員やコーチが自信をもって教えられるようになると、運動嫌いな子供たちにもいい影響があるでしょう。

大学において

一部の大学では、スマートコーチを活用して実践カリキュラムに活用しています。

コーチング理論の学習として、例えば、大学生が中学生へ野球の遠隔指導を行う場合、大学生のコーチング技術が向上します。さらに、ICTを活用した指導スキルを学ぶ機会が得られ、教わる側も実践を学ぶことができるのです。

スポーツ教育の在り方や、コーチング理論を遠隔指導を通じて学ぶことで、活用に繋げています。

アスリートの育成において

2027年に長野県で「NAGANO スポーツ☆キラキラっ子育成プロジェクト」が開催されます。ICTは、そのため、国民体育大会に出場するメンバー、つまりジュニアアスリートたちの競技力を上げるために、そのプロジェクトのサポートをしています。

遠隔地にいたとしてもジュニアアスリートたちへ指導することができ、その技術向上のサポートをスマートコーチが行うことができる、ということです。

審判の精度問題において

スポーツICTは、選手の育成・強化だけではなく、採点競技における審判の精度を上げる事にも着目しています。

野球においても、経験のある審判員の方々でさえ、これはセーフなのかアウトなのかの判定に迷うことがあります。ですが、審判員の方々の判定時にも採点支援システムがあれば、判定精度が、より確実なものになります。

審判の正確性は、そのスポーツの向上に大きく関与することから、スポーツICTでより正確な判定ができるなら、その方がよく、また選手の強化にも繋がるはずです。

ですが、そこに機械が入ってくると、野球そのものが無機質なイメージになってしまうという懸念もあります。実際問題として人間の目と、ICTを上手に融合させることが必要になってきます。

レベルの高い指導者の育成が必要

トップレベルで指導するコーチの多くは、海外での勉強を通じてコーチングのノウハウや技術を学んできた人が多くいます。

ですが、実際は残念ながら、海外レベルには追いついていないのが現状です。そのため、選手の育成・強化のために、審判や指導者のスキルを高めていかなければならず、そうしないと世界で戦える選手は育たないとされています。

ですから、日本の野球選手の技術力を底上げするためにも、最先端のICTから得たデータや分析結果を活用できる、レベルの高い指導者を育成していくことも必要になってきます。

スポーツICTの課題は多々ありますが、選手も指導者も客観的に課題点がわかるようになる点において、スポーツICTは、スポーツの質を確実に上げるものと考えられています。スポーツICTがもたらす未来へのインパクトはとても大きいと考えられるでしょう。

以上、ICTを活用してどのようなスポーツ指導ができるかでした。