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ウォーミングアップの指導に際しては、以下の原則を押さえ、構造化され計画された運動を提案する必要がある。

①主運動の特性を踏まえ、その効果が最大に引き出されること

主運動が有酸素性主体なのか無酸素性主体なのか、複雑な種目なのか単純なものか、目的が生活習慣病予防か体力増強か介護予防か、など様々な観点から主運動を考察したウォーミングアップが望ましい。

②主運動で多く発生する傷害を効果的に予防すること

主運動で行われている運動種目によって、外傷や慢性傷害の発生部位や種類は大きくことなる。特に主運動で最も使用される身体部位、すなわち負担のかかる部位は入念にウォーミングアップが施される必要がある。

③一つの運動にこだわらず、複数のタイプの運動を組み合わせること。

ウォーミングアップには様々な効果が期待されている。特に野球では複雑な運動を行うため、単に体温上昇や呼吸循環器系の応答向上だけではなく、筋力や瞬発力の発揮、バランス感覚の向上やコンタクトに対する準備などが必要なので、それらに応じた種目選択が不可欠である。

④安全のため、低い強度から段階的に運動強度を上げていく。もしくは静的な運動から、動的な運動へ移行していくこと。

ウォーミングアップで傷害や事故が発生しては身も蓋もない。安全のために身体に負担の少ない運動から始め、より大きな効果を得るために漸増的に負担を上げていくことが必要になる。

⑤主運動やクーリングダウンとの時間配分について十分に配慮すること

一回の運動プログラムに割り当てられる時間には限りがある。安全や効果を追求するあまり、ウォーミングアップで半分以上の時間を使ってしまっては本末転倒である。限られた時間のなかでより大きな効果を得るためには、優先順位の高い運動を選択する必要がある。ウォーミングアップに割くべき時間の目安としては、全運動時間の5~15%、60分間運動プログラムでは、5~10分が適当である。

⑥指導対象の性・年齢・習熟度に応じた指導を行うこと

主運動だけでなく、ウォーミングアップも対象者に応じて種目や強度が適切に選択される必要がある。また、指導の際の声掛けも対象に応じて使い分けられることが望ましい。